岩上力(いわがみ つとむ)氏と社長との対談


6月17日(金)本社会議室にて、京都新聞夕刊一面、7月2日(土)掲載の広告の原稿用に岩上力(いわがみ つとむ)氏と社長との対談が行われました。 岩上氏は儀式作法教室の講師をつとめると共に、作法コメンテーターとしてテレビ、ラジオに出演され、「京都人の思い」を伝えておられます。 現在は、京都商工会議所の京都検定講習会の講師としてもご活躍されています。
注)只今、社長は岩上氏の著書「京の儀式作法書」「京のあたりまえ」を読み、京都の「粋:すい」を勉強中です。
京都、夏の贈り物 …先様を思う「心」を伝えたい
京都人の思いを伝えたいですね。
社長: 京都の出版物が多い中、最近は岩上様の著書を拝見させて頂き、 本当の京都らしさは何かを勉強させて頂いています。
岩上氏:
ありがとうございます。私はもう二十三年余り儀式作法教室の講師やテレビ、ラジオまた著書を通じて「京都人の思い」をお伝えしております。最近は京都商工会議所の京都検定講習会の講師をさせて頂いておりますが、今の時代だからこそ京都らしさや京都の心というものを伝え残してゆかなければと思っています。
心を込めて思いやるという「心」が大切です。
心を込めてやるという「心」が大切です。
社長: 夏の進物の時季ですが、岩上様からみられてどのようにお感じになりますか。
岩上氏: そうですね、夏の進物といえばお中元ですが、お中元にも本来の意味があります。元々は中国のしきたりで上元・中元・下元という三つの儀礼がありました。上元は一月十五日で「人々に福を与える日」、下元は十月十五日で「人々の災いを防ぐ日」、それに中元は「人々の罪を許す日」として七月十五日にお祭りを行いました。それが日本に伝わり京都では季節感を合わせる意味で、ひと月遅れの八月のお盆の行事とリンクし残ってきたといわれています。それにもう一つ大切なのが、八月一日の八朔(はっさく)の行事で、これは「欠けた月が元に戻る」という意味があり、これが先ほどの中元という儀礼と合わさり「ご無沙汰している罪を許してもらう」「疎遠になって欠けているご縁を修復する」ということから、相手の無事を心から思いやり、お伺いの気持ちで交流を深めてきたものがお中元という行事で現代に残ってきています。すなわち、ただ単に品物を贈るのではなく、心を込めて相手のことを思う「心」で選ぶことが大切ですね。
打田様の「心」きっとお感じになられるでしょう。
社長:
そうですね、よく私どものお客様のなかで先様お一人お一人に少しずつ品物を替えられて贈られる方がいらっしゃいますが、まさに先様を思う「心」で選んで頂いてることだと感じています。
ご注文を承る度に本当に嬉しく思っています。
また、お客様よりその贈られた先様からお手紙等で、「たいへん美味しくいただきましたありがとうございました」とお返事を頂かれお喜びになられましたので、また来年も一番美味しい時期を選んで送ってください、とご注文をいただくのですが、これはお客様の先様への思いが通じた結果の賜と、二重の喜びを味わう瞬間がございます。人と人とのコミュニケーションや相手を思いやる心は本当に大切なことだと感じますね。これからは、インターネットやFAXのように直接接することのないお客様からのご注文にも、お一人お一人の、先様への「心」を表現して頂ける様もっともっときめ細やかな対応をさせていただきたいと考えています。
岩上氏: ご商売冥利につきますね、本当に感動いたします。本物の「心」だと思いますよ。また、打田様の進物に対する対応の「心」は、お客様とその先様もきっとお感じになられるでしょう。
お漬物には人をやさしくさせるものがありますね。
社長: ありがとうございます。進物を通してお客様ご自身を表現されるお手伝いがどこまで出来るのか、また、私たちがお客様のお気持ちにどこまで添えることが出来るのかをいつも考えています。
岩上氏: 進物に対してここまでのこだわりを打田様がお持ちになるということは選ばれるお客様も本当に自信を持って贈られることでしょうね。また私個人お漬物が日本にあってよかったと思っています。少し大袈裟な表現かもわかりませんが、お漬物は日本の心だと思いますし、食する人の心を豊かにするような気がします。現に私の家庭では食事の締めには必ずお漬物を食べますし、美味しいお漬物があればいくらお腹がいっぱいでも、家族全員がいくらでもご飯をおかわりしてしまいますね。(笑)このように、お漬物は家庭のコミュニケーションを深めるために欠かせない食文化と考えています。家族団らんの場を通して、人が本当にやさしくなれればと願っています。
岩上様お忙しいなか本当にありがとうございました。(社員一同)